インフルエンザのヘルプナビ

監修:日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 リサーチディレクター
池松 秀之先生

こんな時どうする?こどもがインフルエンザにかかったら

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兄弟姉妹、親子間でうつりやすいインフルエンザ。 家庭で蔓延させないために、どうすればいい?

トピックス
  1. 家庭で蔓延させないために

  2. こどものインフルエンザの場合、異常言動を起こす可能性があります

  3. インフルエンザが治った後の登校・登園は?

  4. お子さんのインフルエンザは重症化することも

家庭で蔓延させないために

家族への感染はこどもから

厚生労働省によれば、2018/19シーズン、インフルエンザにかかり医療機関を受診した人は約1,200万人。国民の約10人に1人が発病しています1)
そのうち、約4割を15歳未満のこどもが占めています。こどもは学校や幼稚園、保育園などで感染が広がりやすいうえ、家庭内でも兄弟姉妹などから感染しやすいのです。

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家族の中で誰かがインフルエンザを発症したら、家族内で感染する確率は30%と推測されています2)※

※抗インフルエンザ薬の予防投与を行わない場合。

最初にこどもが発症した場合、最もうつりやすいのはお母さん。次に兄弟姉妹への感染が多く、ほとんどは5日目までに発症します。
症状が長引き、体の中にインフルエンザウイルスがある時間が長いほど、咳やくしゃみ、鼻汁を介して他の家族に感染するリスクが高くなります。お子さんの様子を見て「かぜかな?インフルエンザかな?」と思ったら、まずは医療機関を受診して、医師の診断を受けましょう。

「みんなでごはん」はしばらくがまんを。

お子さんがインフルエンザにかかっているときは、早期に抗インフルエンザ薬による治療と、他の家族との接触機会を減らすことが重要です。かかっているお子さんにマスクを着けさせ2)、なるべく寝室を離して家の換気をよくします。お子さんの熱が下がって元気になっても、咳や鼻汁が出ているうちは、他の兄弟姉妹といっしょに遊んだり、同じ食卓で食事やおやつをとることは控えましょう。

※換気をする際には、異常言動による事故を防止するために、お子さんから目を離さないよう注意してください。

回復中の食事で一番重要なのは「水分」です。こどもは大人にくらべ脱水を起こしやすいので、水分をしっかり補給してあげましょう。こども向けに開発された、乳児用イオン飲料やベビー飲料などを使用するのもおすすめです。食欲があるときには、胃腸に負担の少ない、消化のよいものを食べさせましょう。年齢にあわせて、食べやすいものを少しずつ食べさせるとよいでしょう。
もし、水分摂取が難しいほど症状がひどい場合や、長時間おしっこが出ていない場合には、なるべく早く病院に行くことをおすすめします。

こどものインフルエンザの場合、異常言動を起こす可能性があります

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インフルエンザで療養中のこどもが「突然走り出す」「おびえてパニック状態になる」「わめく、泣き止まない」といった事例が報告されています。残念ながら窓やベランダから飛び出し、転落等で亡くなったお子さんもいらっしゃいます3)
このような異常言動と抗インフルエンザ薬の服用について、厚生労働省研究班が調べた結果、抗インフルエンザ薬を使用する・しないにかかわらず、インフルエンザの発症後には異常言動が起こり得ることが報告されました4)
転落事故を起こしかねない危険な異常言動は小学生~未成年の男性に多くみられます。また、発熱から2日間以内に起こりやすいとされています。お子さんがインフルエンザにかかったら、このような異常言動を起こすことも想定して、安全な療養場所を整えることが大切です。
たとえば、一戸建ての住宅ではできるだけ1階に、マンションなど高層階の住まいではベランダに面していない部屋で寝かせる、玄関や全ての部屋の窓のカギを確実にかけておくなどの対応が事故防止につながります。

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インフルエンザが治った後の登校・登園は?

インフルエンザが治った後、いつから学校や幼稚園、保育園に行かせてよいか?は保護者の皆さんを悩ませるところです。
「熱が下がって元気になったら学校や幼稚園に行かせてもいいのでは?」と思われがちなのですが、インフルエンザを発症してから3~7日間は、熱が下がってもまだ体内にはインフルエンザウイルスが残っています5)
インフルエンザウイルスの量はだんだん減っていくとはいえ、鼻やのどから排泄され続けるので、学校や幼稚園等では他のこどもにうつしてしまい、感染を広げてしまう可能性があります。抗インフルエンザ薬で治療して、早めに熱が下がった場合も同様です。
そこで、こどもたちへの感染拡大を防ぐために、出席停止期間の目安が「学校保健安全法施行規則」で定められています。

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「発症後」の日数は、発症した日の翌日から数えます。たとえば、×月1日に発熱し発症した場合、少なくとも6日までは登校(登園)を控えます。平熱に戻らなければ、さらに登校開始を遅らせる必要があります。 ただし、病状により学校医やその他の医師が「感染のおそれがない」と認めた場合は、この限りではありません。

お子さんのインフルエンザは重症化することも

5歳未満のお子さんがインフルエンザにかかると重症化するリスクがあります。重症化してインフルエンザ脳症を合併する患者さんのうち、10歳未満のお子さんが約7割を占めるという報告があります。インフルエンザ脳症は重い合併症で、入院治療が必要になったり、最悪の場合いのちを失うこともあります。このような理由から、お子さんは特にワクチンなどでインフルエンザの感染予防だけでなく、重症化を予防することも大切です。

参考文献

1)厚生労働省:今冬のインフルエンザについて(2018/19シーズン) https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/influ/fludoco1819.pdf

2)日本臨床内科医会:インフルエンザ診療マニュアル 2019-2020年シーズン版(第14版), p.33

3)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q14,15 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

4)平成31年度日本医療研究開発機構委託事業(医薬品等規制調和・評価研究事業):インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な動向に関する研究 報告資料

5)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q17 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

6)日本臨床内科医会:インフルエンザ診療マニュアル 2019-2020年シーズン版(第14版), p.34