インフルエンザのヘルプナビ

監修:日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 リサーチディレクター
池松 秀之先生

医師が答えるインフルエンザのFAQ インフルエンザへの疑問や不安に思うことなど、
          よくある質問に医師がわかりやすく回答します。

去年もインフルエンザにかかったのに、今年もかかってしまいましたがなぜですか?
年ごとに流行する型が違うことが大きな原因です。また、インフルエンザウイルスは増殖する過程で遺伝子に一定頻度のコピーミスをします。コピーミスのことを「変異」といいます。コピーミスにより、毎年少しずつインフルエンザウイルスの表面にあるヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)が変化します。その結果、過去の感染でできたインフルエンザウイルスへの免疫では反応できなくなり、再びインフルエンザにかかってしまいます。
インフルエンザが日本のどこの地域で流行しているかを知ることはできますか。
インフルエンザがどこの地域で流行しているかは 国立感染症研究所が調査し、ホームページなどで公表しています。
都道府県として発令される「警報」とは異なります。
インフルエンザ予防のために何をしたらいいですか?
ワクチンを受けることが基本です。また、普段から十分な睡眠やバランスのとれた栄養摂取など体調管理を意識しておくと、免疫力が高まります。手洗い手指消毒も効果的です。
インフルエンザワクチンを接種してもインフルエンザにかかる理由を教えてください。
インフルエンザワクチンはその年の流行の型を予測し、製造されます。インフルエンザウイルスは変異を起こしやすく、流行と完全に一致するワクチンを製造することは難しいです。また、効果も個人差があります。重症化や合併症を防ぐこともできますので、ワクチン接種は推奨されています。
医療機関にはどのタイミングで受診するとよいですか。
インフルエンザと感じたら、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。また医療機関を受診するときは、周りの人にうつさないために、マスクを着用しましょう。
インフルエンザの治療に使用する抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑え、インフルエンザ症状を改善させます。
抗インフルエンザ薬は、発症後48時間までの服用開始が有効です。
医師はどのようにインフルエンザを診断しているのですか。
まず、問診にてどのような症状があるのかを確認します。「かぜ」と「インフルエンザ」では典型的な場合は症状が異なりますが、症状のみでの診断は必ずしも容易ではないため、インフルエンザ迅速抗原検出キットを用いて判定することがあります。症状や検査の判定結果を元にインフルエンザを診断します。
インフルエンザにかかったとき、解熱剤は使ってもよいですか。
高熱に対して解熱剤(アセトアミノフェンなど)が医療機関で処方されることがあります。医師の指示に従い、正しく服用しましょう。市販薬を自己判断で使用することは避けましょう。
インフルエンザに、抗菌薬は効果がありますか。
抗菌薬は細菌感染症に効果のある薬剤です。インフルエンザはウイルス感染症であり、原因となる微生物が異なるため、抗菌薬は効果を発揮しません。合併症として肺炎や気管支炎など細菌感染が疑われる場合には、医師の判断で抗菌薬が処方されることがあります。
インフルエンザにかかった人を看病するとき、注意することを教えてください。
インフルエンザにかかると、発熱や発汗、さらに下痢や嘔吐などにより脱水症状になりやすいため、十分な水分補給を心掛け、食事は消化のよいものをおすすめします。また、湿度を高く保ち、のどを乾燥させないようにしましょう。
インフルエンザは飛沫感染だけでなく、接触感染が原因となる場合もあります。かかった人が マスクを着用するだけでなく、看病する人もマスクを着用し、看病したあとは手洗い手指消毒をするなど予防を心がけましょう。また、同じところで一緒に食事をするのは避けましょう。
抗インフルエンザ薬を服用しましたが、数日たっても苦しそうなのです。どうしたらよいですか?
抗インフルエンザ薬の投与を受けて数日が経過しても症状が改善しない場合は、合併症を伴っている可能性があります。速やかに医師に相談しましょう。
インフルエンザにかかったとき、まわりの人と接するうえで注意することを教えてください。
まわりの人にうつさないためには、咳エチケットを心がけることが重要です。また、症状が改善したあとも、発症後3~7日は体内にインフルエンザウイルスが残っていることがあります。外出はできるだけ控えましょう。