インフルエンザのヘルプナビ

監修:日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 リサーチディレクター
池松 秀之先生

時系列で学ぶインフルエンザ回復編

トピックス
  1. 受診後は自宅でどう過ごせばいいの?

  2. 回復中・後の食事はどうしたらいいの?

  3. いつから外出してもいいの?

受診後は自宅でどう過ごせばいいの?

インフルエンザにかかったら、体力を回復するとともに、感染を広げないためにも、自宅で安静に過ごすようにしましょう。

⾃宅での過ごし⽅

  • ・十分な睡眠をとること、安静に過ごすことを心がけましょう。
  • ・室温は20℃以上、湿度は50~80%に保ちます1)。湿度が十分にあると、のどなど気道の乾燥を防いで状態をよくし、たんが切れやすくなります。
  • ・部屋(家)の換気※をよくしましょう。
    ※換気をする際には、お子さんについては異常言動による事故を防止するために、目を離さないよう注意してください。
  • ・発熱時は首(頸部)、脇の下(腋窩)、足の付け根(鼠径部)を冷却しましょう。
  • ・高熱による発汗で体内の水分が失われます。十分な水分補給を行い脱水状態にならないよう注意しましょう。
  • ・胃腸障害を伴い、腹痛、下痢などが起こることもあります。できるだけ⽔分、糖分、ビタミン類などが多く含まれ、消化しやすい⾷事をとるようにしてください2)

回復中・後の食事はどうしたらいいの?

インフルエンザにかかったとき、
1番必要なのは「水分」

インフルエンザにかかると、発熱・発汗や下痢、嘔吐などにより脱水状態になりやすいので、十分に水分を補給することが重要です。
また、水分とともに塩分などの電解質も不足するため、水分補給には市販の経口補水液やスポーツドリンクなどがおすすめです。

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消化のよいものを

発熱時には、食欲減退、栄養摂取の減少とともに消化・吸収機能が衰え、胃腸障害を起こします。このため、糖質とタンパク質を主体とした、消化のよいものをとりましょう3)
具体的には、果汁やスープ、牛乳、おかゆ、柔らかく煮たうどんなどがよいでしょう。

また、回復が進み食欲が出てきても、胃腸は全快ではないので、辛いものなど刺激の強いものや脂っこいものなど消化に悪いものは避け、できるだけ消化のよいものを食べましょう。野菜や卵などを加えよく煮込んだ雑炊やスープ、湯豆腐、茶碗蒸し、白身魚の煮物などがおすすめです。

もし、嘔吐や下痢が続き水分や食事があまりとれない場合は、病院で点滴により緊急的に水分や電解質を補給する方法もあります。主治医の先生に相談してみましょう。

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回復後は規則正しい生活と
バランスのよい食事を

日頃から規則正しい生活とバランスのよい食事を心がけ、「免疫力」を上げておくことはインフルエンザの予防や、重症化を防ぐことにつながります。
好きなものを好きなだけ食べるのではなく、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を意識した、バランスのよい食事をとるように心がけましょう。

いつから外出してもいいの?

インフルエンザは熱が下がってもまだ体内にはインフルエンザウイルスが残っています4)。インフルエンザウイルスの量はだんだん減っていきますが、鼻やのどから排泄され続けるので、まわりの人にうつしてしまい、感染を広げてしまう可能性があります。こどもへの感染拡大を防ぐために、出席停止の目安が「学校保健安全法施行規則」で定められています。成人には出席停止の規則はありませんが、感染を拡大させないためにも、外出は控えましょう。どうしても外出をする必要がある際は咳エチケットを心がけましょう。

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参考文献

1)Influenza Virus Transmission Is Dependent on Relative Humidity and Temperature
https://journals.plos.org/plospathogens/article?id=10.1371/journal.ppat.0030151

2)加地 正郎:インフルエンザとかぜ症候群 改訂2版, 2003, p.120, 南山堂, 東京

3)後藤 昌義,瀧下修一:新しい臨床栄養学(改訂第6版), 2014,p259,南江堂,東京

4)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q17 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

5)日本臨床内科医会:インフルエンザ診療マニュアル 2019-2020年シーズン版(第14版), p.34