インフルエンザのヘルプナビ

監修:北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター
特別招聘教授 喜田 宏先生

インフルエンザウイルスの基礎知識

ウイルスとは?

目でみることができないほど小さな微生物

細菌、ウイルスなど目で見ることができないほど小さな生物を微生物といいます。ウイルスはとても小さく、電子顕微鏡ではじめて見ることができます。たとえば、インフルエンザウイルスの直径はわずか80〜120nm(ナノメートル)です。「nm」とは、1m(メートル)の10億分の1ですので、気が遠くなるほど小さい微生物です。

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ウイルスは細菌よりもずっと小さいために光学顕微鏡では見ることができないのじゃ。20世紀に入って電子顕微鏡が開発されるまで、その姿をとらえることができなかったのじゃ。

細菌とウイルスの違い

【構造】
ウイルスは「生物と非生物の間」などといわれることがあります。なぜなら、細菌を含め、生物の細胞に必ずある小器官やリボソームを持っていないからです。ウイルスは遺伝子とそれを包むタンパク質でできた殻(カプシド)で構成されるきわめて単純な構造をしています。
【遺伝子】
細菌は、遺伝子DNAを持ち、代謝やタンパク質合成を行い、分裂して増殖します。一方、ウイルスは、遺伝子としてDNAかRNAのどちらかを持ち、代謝やタンパク質合成を行いません。また、自身で増殖することもできません。宿主(動物)の細胞に感染し、その細胞を多数の子孫ウイルスをつくる工場にしてしまいます。
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ちなみに『宿主』は、医学的には「やどぬし」ではなく「しゅくしゅ」と読むのじゃ。

参考文献

1)泉 孝英ほか:医療者のためのインフルエンザの知識, 2007, pp.11-12, pp.14-15, p.22, 医学書院, 東京