インフルエンザのヘルプナビ

監修:日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 リサーチディレクター
池松 秀之先生

こんな時どうする?社会人がインフルエンザにかかったら

トピックス
  1. 朝は普通に出勤。でも、午後から熱が。さあ、どうすれば?

  2. 先輩が今日からインフルエンザで欠勤。自分もうつっているかも…。

  3. こどもがインフルエンザを発症。こどものケアで会社に行けない…。

朝は普通に出勤。でも、午後から熱が。さあ、どうすれば?

周囲の⼈にうつさないよう、⾃宅で静養しましょう

高熱、咳、全身倦怠感等の症状があればインフルエンザが疑われます。 インフルエンザウイルスに感染してから、症状が出るまでには1~3日間の潜伏期間があり、1)発熱などの症状が出る前日にはウイルスは増殖して、体外に排出されています。2)くしゃみや咳をするたびにウイルスが唾液や鼻水とともに飛び散り、周囲の人に感染を広げてしまいます。
学生や園児と異なり、成人には出勤停止の規制はありませんが、感染を拡大させないためにも、体調が悪い時は無理にがんばらず、早めに医療機関を受診しましょう。

熱などの症状がなくなってからも
2日間は外出自粛を

インフルエンザにかかったら、基本的には熱などの症状がなくなってから2日目までが外出自粛の目安です。しかし、発症後3〜7日間は体内にインフルエンザウイルスが残っています。3)可能であれば、発症した後7日間は外出を自粛したいもの。熱が下がり、体調が回復したら復帰に向け自宅作業から始めてみるのも一つの方法です。

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「治癒証明書」は
必ずしも必要ではありません

企業によっては、インフルエンザにかかった社員が出社する際に医師による「治癒証明書」の提出を求める場合があります。しかし、これは公的な規則ではなく、企業が独自に決めているルールです。
厚生労働省は「インフルエンザの陰性を証明することは一般に困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける結果になることから、職場が従業員に対して治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくない」(インフルエンザQ&A)と述べています。 4)

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先輩が今日からインフルエンザで欠勤。自分もうつっているかも…。

症状が出たらすぐに受診しましょう

職場の仲間がインフルエンザを発症しても、自分自身に発熱や全身症状がない場合は、一般的には仕事を休む必要はありません。ただ、職務内容によっても対応は異なると思われますので、職場の指示に従ってください。 もし、勤務中でも体調が悪化した場合は直ちに上司に報告して帰宅しましょう。特に、インフルエンザが重症化しやすいハイリスクに該当する人は、留意して下さい。 また職員が共用するスペースや多くの人が触れるところ(ドアノブ、照明スイッチ、テーブル、トイレ、エレベーターのボタンなど)からインフルエンザウイルスが手に付くことも考えられます。こまめに石けんを使って手洗いするといった個々の対策や、多くの人の目につくところに消毒用のアルコールを設置するなども有効です。5)

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インフルエンザ流⾏期の通勤・職場で気をつけたいこと

インフルエンザの流⾏期には、⽇ごろから予防につとめることが⼤切です。

日常生活での予防

  • ・外出先から帰ったり、多くの人の触れるところに触れたときなど、こまめに石けんで「手洗い」をしましょう。
  • ・通勤時間をなるべくラッシュの時間帯からずらすなど、人混みをできるだけ避けましょう。
  • ・職場内や外出先では咳やくしゃみなどの症状がある人には距離をおくよう心掛けましょう。
  • ・手で顔を触るくせがある人は注意しましょう。手についたウイルスは鼻や口、目から体内に入ります。

他人に感染させないために

咳やくしゃみをするときは、咳エチケットを行いましょう。咳やくしゃみで唾液(飛沫)は2メートル飛びます。6)インフルエンザやかぜのウイルスを拡散しないよう配慮したいものです。

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こどもがインフルエンザを発症。こどものケアで会社に行けない…。

急な予定変更を迫られることも

お子さんがインフルエンザにかかっても、その親は症状がなければ、出勤を自粛する必要は基本的にはありません。
しかし、「学校保健安全法施行規則」の規定により、お子さんは最低5日間(かつ、小学生以上は熱が下がってから2日間、幼児は3日間)、学校や幼稚園、保育園を休まなければいけません。

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また、お子さんはインフルエンザにかかっていなくても、学校や保育園が急に学級閉鎖・休校になるなど、お父さん、お母さんは急な対応を迫られることもあります。

「病児保育」も利用できます

「病児保育」とは、病気にかかったお子さんを預かり、保育士・看護師が病状をケアしながら保育してもらえる施設で、小児科クリニックなどに併設されている施設が多いです。 インフルエンザについても、隔離室をもち受け入れている施設があります。対象年齢は施設によって異なりますので、お問い合わせください。
全国病児保育施設一覧(一般社団法人全国病児保育協議会)

参考文献

1)国立感染研究所:インフルエンザとは https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

2)泉 孝英ほか:医療者のためのインフルエンザの知識, 2007, pp.42-43, 医学書院, 東京

3)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q17 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

4)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q18 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

5)厚生労働省:事業者・職場における新型インフルエンザ対策 ガイドライン, 2009.2, p.97, p.115
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-11.pdf

6)厚生労働省:咳エチケット ポスター

7)日本臨床内科医会:インフルエンザ診療マニュアル 2019-2020シーズン版(第14版), p.34