インフルエンザのヘルプナビ

監修:日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 リサーチディレクター
池松 秀之先生

時系列で学ぶインフルエンザ予防編

トピックス
  1. インフルエンザは予防が大事

  2. 手洗いや手指消毒の正しい方法とは?

  3. マスクはなぜ着用したほうがいいの?

  4. インフルエンザの予防接種(ワクチン)は効果があるの?

インフルエンザは予防が大事

インフルエンザは、感染した人の咳やくしゃみで発生した飛沫を吸いこむ「飛沫感染」や、感染した人が触った直後のドアノブなどに触れ、そのまま目、鼻、口を触ることで起きる「接触感染」によって引き起こされます。そのため、普段からウイルスが体内に入るのを防ぐことが重要です。

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日常生活での予防

  • ・普段から十分な睡眠や栄養の摂取など、体調管理を意識して免疫力を高めておきましょう。
  • ・人が多く集まる場所から帰ってきたときは、手洗いを心がけましょう。流水と石鹸を使用して30秒以上行うことが望ましく1)、アルコールを含んだ消毒液で手指を消毒することも効果的です。
  • ・重症化を予防するためにも予防接種を受けましょう。

他人に感染させないために

咳やくしゃみをするときには「咳エチケット2)」を心がけましょう。咳やくしゃみが出そうなとき、マスクがなければハンカチやティッシュで鼻と口を覆います。とっさのくしゃみは手で受けず、袖で鼻と口を覆うようにしましょう。

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手洗いや手指消毒の正しい方法とは?

手洗いや手指消毒といった、手指に関する衛生管理を手指衛生といいます1)。手指にはさまざまな細菌やウイルスなどの微生物が付着しており、表面に付着している「通過型」と皮膚のより深い層に付着している「常在型」の2種類に分けられます。感染に多く関与するのは「通過型」といわれていますが、表面に付着しているだけなので、適切な手指衛生によって除去することが可能です3)。感染の拡大を未然に防ぐためにも、一人ひとりが正しい手指衛生を心がけましょう。

正しい手洗い方法とは?1)

手洗いとは石けんと流水による手指衛生です。ただし、正しく手洗いができていない場合、手のしわやひだに入り込んでいた微生物が表面に出てくるので、手洗い前よりも手に付着した微生物が増えてしまうこともあります4)

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指先や指の間など洗い残しになりやすい部位は、特に意識して洗うことが重要です。手洗いは30秒~1分間を目安に、正しく行うことがポイントです。

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正しい手指消毒の方法とは?

手指消毒とはアルコールを含んだ消毒液で手指を消毒することによる手指衛生です。手指消毒は手洗いに比べて微生物除去能力が高いといわれています5)。すり込むことで消毒効果が得られるので、手のひらをこすり合わせ、アルコールをよくすり込んでください。手を振って乾燥させないようにしましょう。

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マスクはなぜ着用したほうがいいの?

咳やくしゃみをするときは咳エチケットとしてマスクの着用が推奨されています。咳やくしゃみの飛沫は約2メートル飛ぶといわれているので、マスクの着用で、飛沫の拡散を未然に防ぎましょう6)

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鼻がしっかりと覆われていない、マスクがあごに引っかかっている、あごまで覆われておらず隙間がある場合などは効果がありません。マスクは鼻からあごまでを覆い、隙間がないように着用しましょう。また、使用後のマスクは放置しないで、ゴミ箱に捨てましょう。

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インフルエンザの予防接種(ワクチン)は効果があるの?

インフルエンザワクチンはインフルエンザに「かかりにくい」「かかっても重症化させない」という2つの効果があります。インフルエンザワクチンを接種すると、体内でインフルエンザウイルスに対抗するための抗体がつくられます。ワクチンは、その年に流行するインフルエンザを予測し、予測をもとに毎年つくられています。しかし、インフルエンザウイルスは少しずつ変化していることもあり、予防接種で完全に予防することはできません。それでもワクチンは感染者の数はもちろん、重症化して入院する人を減らす上で有効といわれています7)。ワクチンが十分な効果を発揮するのは、接種の約2週間後から5カ月ほどです。インフルエンザが流行する前(12月中旬まで)にワクチン接種を終えることが望ましいといえるでしょう8)

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ワクチンはどこで接種できるの?

インフルエンザワクチンの接種は、地域の医療機関やかかりつけ医などで受けることができます。病気に対する治療ではないため、保険が適用されません。原則的に全額自己負担となりますが、費用は医療機関によって異なります。医療機関によって実施期間も異なるので、地域の医療機関、かかりつけ医などに問い合わせましょう。13歳未満の方では2回、13歳以上の方では原則1回接種することが推奨されています9)。現在日本で広く用いられているインフルエンザワクチンは「4価ワクチン」と呼ばれ、インフルエンザウイルスA型株(H1N1株とH3N2株)及びB型株(山形系統株とビクトリア系統株)の4種類のワクチン株が含まれます10)

ワクチンを接種した後は?11)

まれにショック、アナフィラキシー様症状がみられる場合があるため、接種後30分間は医療機関内で安静にしてください。帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡しましょう。また、接種した後、副反応がみられる場合があります。10〜20%の方に局所的に赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)、5~10%の方に全身性の反応として発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが報告されていますが、通常2~3日でなくなります。

ワクチンの副反応

【注射部位】
赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)
【全身性の反応】
発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)など
まれに、ショック、アナフィラキシー様症状

参考文献

1)洪 愛子 編:INFECTION CONTROL,2008年秋季増刊, pp.5-17

2)厚生労働省:咳エチケット ポスター

3)Boyce J.M., et al.:MMWR. Recommendations and Reports., 2002, 51(RR-16), 2

4)(株)日研生物医学研究所 月間HACCP 2008年10月号

5)洪 愛子 編:INFECTION CONTROL,2008年秋季増刊, p.229

6)厚生労働省マスク着用の重要性(インフルエンザをうつさないために) https://www.youtube.com/watch?v=9Mkb4TMT_Cc

7)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q21 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

8)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q26 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

9)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q20 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

10)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q25 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

11)厚生労働省:インフルエンザQ&A, Q33 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html